テクニカル分析

FX 勝てるようになるまでの経緯

トレーダーを志す上では、一定量の学習期間を要します。

巷では勝てるようになるまで最低3年と言われています。

トレーダーとしての技術修得は、決して簡単とは言えません。

私は独学ですので誰かに直接教えて頂いたことがないですが、

ひたすらにネットや書籍、youtube等を漁り続けました。

参考になりそうなトレーダーを見つけ次第、とことん読み込みました。

とにかく手当たり次第に見る、読む、書く、聞く を繰り返します。

今思い返すと決して効率の良い学習方法ではなかったなという自覚があります。

「なにしろ、私は無駄が多かったし、遠回りをした。」

その経験を踏まえ、ここではデイトレードスキル修得に向けての

効率の良い学習方法における実体験を書いてみます。

突破口となるような何かしらのヒントを見つけてもらえたら幸いです。

ではよろしくお願いします。

『真っ先に相場の仕組みをイメージできるようにする。』
『勝てる手法やインジケータを探し続けることが遠回りになってしまう』

この記事を読むことで

1.効率よく学習できるようになる
2.相場の仕組みをイメージしやすくなる
3.無駄な遠回りを (少しは) 回避できる

このようなスキル向上を目指します。


1.遠回りしてしまう理由

FXで勝てるようになるためには多くの知識と技術、そして相場を見るための思考方法を養うが必要です。

またトレーダーの手法自体、人それぞれであって、誰でも必ず、[どのトレードスタイルが自分に合っているのか?を模索する期間] があります。

FX技術修得に伴う遠回りの理由はここにあります。

初心者の裁量デイトレーダーであれば、おそらくまず最初に移動平均線やオシレータの知識を得ようとするはずです。

視覚的に分かり易いシグナルやサインに従うようなトレードをするスタイルです。もちろんそれで勝てることもありますが、継続的に勝つことは難しい もしくは、損切りばかりになるでしょう。

私は強制ロスカット、全損に近い損失(-70%)などを沢山経験しました。

「あの時、こっちを先に知っておけば良かった、、」という遠回りの記憶が沢山あります。単純に基礎が備わっていなかったのです。

おそらくこれが初心者時代によくある手法迷子、何から手を付けたら良いのか分からず、知識を増やしていく過程で、お手上げになり諦めてしまったりします。

このブログでは何度も何度も、[環境認識力] という言葉を連呼します。

そのくらいトレードスキルの要であり礎なのです。

”いいからさっさと勝てる手法、勝てるツール、勝てるエントリーポイントを教えてほしい。”

という気持ちを抱く人が一定数いるのも分かります。

しかし残念ながら裁量トレードにおいては、そんなものはありません。

そうではなく、[環境認識力]を高め、相場の仕組みを理解することこそが答えなのです。

遠回りをしてしまう理由は、いきなり手法を学ぼうとするからです。

そうではなく、まずは環境認識、相場の仕組みを理解しましょう。

このブログをある程度読み込むことで、一体自分が勝てない理由は何だったのか?を知るヒントを得てください。

あ、厳密にはいくつも勝てる手法はあります。実際使える手法は沢山ありますし、ネット上にいくらでもあります。逆に秘儀めいたナイショの勝てる手法ってあるんでしょうか。

私は残念ながら見たことがありません。

しかし、それらいくつもの勝てる手法を使いこなすためには、環境認識力を高めなければ、その勝てる手法も使いこなせないというだけです。

例えてみると、

-ある戦場にて
兵士A「オレ今、強力な銃器持ってるんだけど、
          何かここにシグナルが出たら、このボタン押せば勝てるらしいよ。」
「よし、ここポチったらええんやな? 
 よっしゃー! 賞金目当てに戦ったるでー」   
これはさすがに無謀です。。

マーケットにはそんな無謀なトレーダーを狙うかのように狡猾に待ち構えている武装した屈強なトレーダー達が沢山います。

なのでまずはしっかり理論武装しましょう。すべての手法の礎は環境認識力です。

そして裁量トレーダーにとって全ての礎となるのはダウ理論です。

『FX は環境認識力を高めなければ、勝てる手法も使いこなせない。』
『インジケータはサブ。根拠の念押し程度に過ぎない。』


自身の学習経緯

実際、私はこんな感じです。

このような手書きノート(リンク)を見返してみました。

相場の仕組みを理解するまでの流れはこんな感じです。

既にトレード経験がある方であれば、あるある的な共感をしていただけるかと思います。

■1年目

マインド:知識に貪欲な時期, 知らないことだらけなので面白い, やる気MAX ,

スタイル:スキャルピング

通貨ペア: USDJPY/EURUSD/EURGBP/EURJPY/AUDUSD/

              AUDJPY/EURAUD/GBPAUD/GBPUSD/GBPJPY

時間足:1分足, 5分足, 15分足, 1時間足,

手法:MA(向きと並び順, ゴールデンクロス),

         オシレータ系(MACD, RCI 3, CCI, RSI等,なんでも試してみる)

         ライン分析(トレンド, チャネル, レジサポ, ネック)

状況説明:

まず移動平均線の並びや向きを見て、トレンド方向を確認。

MACD, RSIなどのインジケータが出すシグナルに従い、売買を繰り返す。

基本的にはスキャルピング。無計画にナンピンして不本意に丸一日ホールドしたりする。

複数のシグナルに従い、条件反射的に売買を繰り返しているだけの粗悪なEAみたいなことをしていた。多くのインジケータを表示して、そのどれもから同じ方向のシグナルが出ていたら高確率だと思い込む。

最初はそれで偶然大きく勝ったりもするが、結局負け始める。

ライン分析の基礎を学習するが、そもそもラインが効かない時もあるしよくわからなかった。

そして次はマニアックなインジケータを探し出したり、その設定値を何度も変える等、典型的な聖杯探しをする。聖杯がないなら作ってしまえの発想で、Tradingviewでオリジナルインジを作ったりもしたが、特に上手くいかず。

そのおかげで大半のインジの構造を知ることができたので、相場の仕組みを理解するうえでのインプットにはなった。

結局インジはRCI3が1番好きで使い続けた。

MTFは視覚的には理解したが、概念的な理解には及んでいなかった。

ナンピンしまくって大きく勝った経験から、耐えていればそれでどうにかなると思い込む。

そんなわけない。結局何度も強制ロスカットに遭う。1年目はオシレータに依存していた。

まさに聖杯探しの時期だった。

環境認識力:★☆☆☆☆

近視眼的にしか相場が見えていなかった。

そんな感じで約1年経過し、

■2年目

マインド:なぜ勝てないのか分からないので手当たり次第に調べる。

     知識が増え過ぎて逆に混乱している状態

スタイル:スキャルピングとデイトレの中間

通貨ペア: USDJPY/EURUSD/EURGBP/EURJPY/AUDUSD/

              AUDJPY/EURAUD/GBPAUD/GBPUSD/GBPJPY

時間足:1分足, 5分足, 15分足, 1時間足, 4時間足, 

手法: MA(向き, 並び, 交差, 乖離幅, )

         オシレータ系(RCI 3, CCI)

   ライン分析 (トレンド, チャネル, レジサポ, ネック)

         チャートパターン

   フィボナッチリトレースメント

   

状況説明:

なんとなく理解していたMTF(マルチタイムフレーム認識)を強化する。

フラクタル構造を理解し、以前よりは各時間足の見方が分かるようになる。

トレード方向は合っているのにその波動に乗れず、タイミングが合わないような苛立ち。

ダウ,エリオット,グランビル等の基礎を学ぶが、実践レベルでの理解はしていない。

フィボナッチの当て方は何となく分かった程度。

インジケータはひとつに絞られるが、売買ルールはシグナルに依存しがち。

多くの移動平均線を表示することでチャンスを逃さないぞと思い込む。

複数通貨ペアを比較検証することで、相関関係の有効性に気付き始める。

たまに勘が働き、危険を回避したり、きれいに乗れたりするがホールド時間が短い。

半端な知識が増えてきたせいで判断材料が多いので、逆に鈍る。

ライン分析と並行してチャートパターンを理解する。

たまに三尊/逆三尊にきれいに乗れたりする。

基本的に勝ったとしても、半信半疑さが残る。

チャート設定がとても派手だった時期。ゴチャゴチャしている。

相変わらずナンピンを繰り返して大きく増やしたり減らしたりを繰り返す。

少しずつスキャルピングの腕が上がり、 何度か資金4倍くらいまでにするが、損切りできずにナンピンするので、稀に抜け出せなくなり全損近くまで追い込まれる。

結局何度も強制ロスカットに遭う。

環境認識力:★★☆☆☆

全ての知識が浅い。概念的には理解できるが実践できない。経験不足。

つまり、

大きく資金を増やすこともなく、3年目に突入 

↓ 

■3年目

マインド:疲弊しきった状態でも学習を続ける → 遂に光明が見える

スタイル:スキャルピングとデイトレの中間

通貨ペア: USDJPY/EURUSD/EURGBP/EURJPY/AUDUSD/

              AUDJPY/EURAUD/GBPAUD/GBPUSD/GBPJPY/XAUUSD

時間足:1分足, 5分足, 15分足, 1時間足, 4時間足, 日足,  週足, 月足

     (結局全部見るけど、大きな足を見るのは一瞬。主要なMAを確認)

手法: MA(向き, 並び, 交差, 乖離幅, )

   ライン分析 (トレンド, チャネル, レジサポ, ネック)

         チャートパターン

   フィボナッチリトレースメント

   相関関係

   エリオット波動

状況説明:

まず最も大きな変化として、大損失を被ることはなくなった。

損切りの躊躇の質が変わり、上手く切れる時は、当初の根拠が覆されたときなので、すぐにドテンで売買反転をするために即座に損切りすることができ始める。

-50,000円くらいの含み損ならサクッと損切りして、その30分後に切った分をプラス転換できたりするので気にならない。

とはいえドテン売買が必ず上手くいく訳ではなく、往復ビンタを喰らうと少しは凹むが、それも大して気にならない。

その場合、基本的にはその日の取引を終了する。

環境認識においては、本当に機能するチャネルラインが引ける。

その大きなチャネル内の上限下限付近を天底と見なして、チャートパターン形成を待ち、きれいにエントリーできる。

しかし長年のスキャルデイトレで培った癖なのか、ホールド時間をなかなか伸ばせない。

大きな波が読めている時も多々あるのに惜しい気持ちになる。

チャネル下限から上限までのようなパーフェクトなトレードはまだ出来ない。

自分が引くライントレード分析に確固たる信頼があるので、インジケータの類は何も使わなくなった。( 参考:非オシレータのススメ リンク)

そして3年目辺りから慣れによる弊害めいた退屈感が大きくなる。

とはいえ、この辺りの時期から生計は立てられるので本業と副業の定義が曖昧になる。

負けるストレスからは解放されつつあるのと同時に、知らないことが減ったため、小慣れた感が出てしまう。何を読んでも見ても知的欲求を満たしにくくなる。

学習が退屈に変わり、疎かになったりするのでジレンマを抱える。

報われた気がしないが、さほど不安でもない辛抱の時期。

環境認識力:★★★★☆

相場の節目となる主要MAとラインがわかるようになる。

そして丸3年を経過した辺りで、流れが変わりはじめます。

■4年目以降 

マインド:乗るべきところが目視で大体わかる。ガツガツしなくなる。

     資金が増えることが嬉しいが、不思議とどこかで飽きてくる。

スタイル:スキャルピングとデイトレの中間、たまに3日ほど計画的にスイング

通貨ペア: USDJPY/EURUSD/EURGBP/EURJPY/AUDUSD/

              AUDJPY/EURAUD/GBPAUD/GBPUSD/GBPJPY/XAUUSD

時間足:1分足, 5分足, 15分足, 1時間足, 4時間足, 日足,  週足, 月足

     (結局全部見るけど、大きな足を見るのは一瞬。主要なMAを確認するのみ)

手法: MA(向き, 並び, 交差, 乖離幅, )

   ライン分析 (トレンド, チャネル, レジサポ, ネック)

         チャートパターン

   フィボナッチリトレースメント

   相関関係

   エリオット波動

   

状況説明:

自分が引くチャネルやラインに絶対的な信頼があり、

それが礎となるから、以前よりもだいぶ冷静でいられるようになる。

予測したターゲットプライス辺りに赤線でマーキングしておくと、大体、1,2日後には到達するようになる。

未だにエントリーが早い時があり、つまらないレンジで無難に損切りをしてしまい、その2,3時間後には、当初の予測通りの方法に進んでいったりする。

ここで思う。「合ってるじゃん!」

そもそも地味な損切りだから凹まない。

しかし、当初の読みが合っていたから、今は負けの苦しみではなく、「あー、チャンス逃したー」という機会損失の悔しさが生じている。

または咄嗟の判断でドテン売買をして即座に損切分を回収したりもする。

利確したい気持ちを自制しながら、何とかホールド時間を長くできる時もある。

そういう時はチャートを見なくていいようにする。

それでも気になって仕方ないので無理矢理銭湯に行ったりする。

条件反射的にチャートパターンが見えるようになる。

フィボナッチはライン分析の念押しとして使う。

エリオットは抽象的にトレンドの成熟度を把握する程度なので、

ある意味それはMA乖離幅や相場の収縮率だと解釈している。

徐々にロット数を増やすことに挑戦するが、悪い意味でも、以前のような威風堂々とした勇気ある決断ができなくなってくる。

初心を忘れないために原資10万円のセカンド口座もたまに触る。

だって資金が大きかろうが小さかろうが、やることは全く同じだから。

数日単位の相関関係なら1分くらいで把握できるようになり、またひとつ強力な武器を得る。市場での理論武装が整い始める。

世界のお金がどこからどこへ移動しようとしているのかを見るためには

つじつまが合うような見解をしないと分からないことを知る。

状況に応じて、移動平均線を全部非表示にするようになった。

遂にチャートが極限までシンプルになる。

環境認識力:★★★★★

相場の節目となる主要MAとラインがわかるようになった。

自分のトレードの基盤となったライン分析技術が完成する。

現在の課題:

・スイングトレードに移行できるようにホールド力を鍛える
・チャートパターンをより早く正確に理解できるようにする
・ロットを上げても平然としていられるように内省する
・ドテンの瞬発力を磨く
・あとはひたすら経験値を増やす

今はスキルが身に付いてきたから、こんなことを書いていられますが、苦しい時期には全く余裕がないし、3年くらい全く報われない。

ガチで泣けます。ひたすら辛いです。

常にチャートのことしか考えておらず、他のことは全て戯言。

家族は放置しがちで本業では全力を出さず、片手間でとにかく早くこなすのみ。 

但し一度もクライアントには迷惑をかけていない(はず)。

なかなか泥臭くド根性モードでしかなかったです。

このような流れを踏んで痛感したのは、

[実践的トレード技術の完成形]は、[環境認識力を高めたその先にある] ということです。

どういうプロセスを経て、理解に至るのかは人それぞれですが、最終的に完成形に近づきつつある裁量トレーダー達は、同じような気づきを得ているのではないでしょうか。

2.失敗しなければ、気付けない領域がある。

学習課程にある裁量トレーダーは、何度も同じ失敗を繰り返します。

それはもれなく全員です。この通過儀礼のなかで何に気付き、何を知るのかという質が問われます。

初心者が探し求めてしまう、[確実に楽に稼げるようなシグナルツールはありません]。

それがトレード学習を進める上で、割と後半に得られる気づきのひとつです。

事実、エリオット波動でも勝てるし移動平均線でも勝てます。

私のトレード分析の中枢であるライン分析でも勝てます。

FXの勝てる手法は、誰でもググれば上位に出てくるような手法です。

もちろん情報商材の中にも有益な手法も沢山あります。

それでも勝てない理由は、それらの勝てる手法を知ったところで、環境認識が出来ていないなら使いこなせない。というだけです。

以下、少々厳しい発言をお許しくださいね。でもこれがFXの真実です。

「エリオット波動は勝てない。使えねー。」、「ラインを引いても機能しないじゃん。」ではなく、

単に使いこなすだけのスキルがないから使えないのです。

FXトレードにおいての環境認識力とは、スポーツ上達に必要な基礎体力と同じです。

またはスポーツ競技で勝つためには、その競技のルールを熟知しているのと同じです。

完全なる頭脳戦である以上、理論武装をするしかありません。

沢山失敗をするのは仕方がなく、そこからどれだけ気づきを持ち帰るか?です。

私は負けた時は、メンタルボロボロでも手書きノートに反省点を書き殴りました。

敢えて手書きにすることで記憶に留めるためです。

まだ思うように勝てていない方は、是非とも環境認識力を磨いてください。

必ず前進しますよ。私自身まだまだ課題があります。一緒に頑張りましょう!

そこで4時間足ライン分析の完全修得を強く推します。

修得すれば、相場がどこに目標を定めて動いているのか?が見えるようになります。

ご興味があれば是非ライン分析の解説記事をご覧ください。

出し惜しみなく、真実をそのまま書いていきます。