メンタル/マインド

エントリー恐怖症を克服するヒント


誰しもFXトレード修得の段階では、何度かのスランプ状態を経験するものです。私が1番辛かったのはトレードを始めて2年目あたりでエントリー恐怖症になったことです。それなりに知識が増え、トレードに必要な基礎力を身につけた辺りで思うように勝てない自分への憤りが生じました。どんなに躍起になって自分を鼓舞しても払拭することのできない状態に陥った経験があります。今あなたがこのブログに辿り着いたように、過去の私も先輩トレーダー達のブログに救われました。『大前提、トレーダーになれる人はこの恐怖をどうにか克服したはずだ』と傷心の状態でトレーダー然としたメンタルを養う修行の一環として向き合ってきました。少しばかり強めの発言も含みますが、この記事がそんなトレーダー志願者の一助になれれば幸いです。FXトレードの難易度はそれなりに高いです。よってそれなりの根性論も含まれます。大丈夫です。あなたは必ず乗り越えられます。

■FXのエントリーが怖くなる心理

・これ以上、資金を減らしたくない気持ち

・増やした以上に減らしてしまうことによる徒労感

・ルールを守っているのに負け続けしまう自己否定感

これら負のスパイラルに飲まれてしまうと大変です。FXは自信が揺らぎ出すと自分自身への不信感が生じてしまい、テクニカル分析の精度も下がってしまうし、当初見出したエントリー根拠自体にも不穏さを覚えてしまいます。今思うと技術よりもメンタルのガタつきが著しく悪影響をしていた気がします。結局何事も最後は冷静な人間が勝つものです。

シリアスに考え過ぎてはいけません。テクニカル分析は個人トレーダーにとっても機関投資家にとっても最大の根拠を導き出すための技術です。

エントリーできず、悶々とした時間を過ごすことも辛い

・休んでいては前進するわけがない

・ノーエントリーで相場を眺めている時に限って予測通りの動きをする

私の場合は、このような焦りが生じてしまいました。冷静さを取り戻すまでは休む必要がありますが、ある程度休んだら結局相場に向き合うしかないと判断しました。FXの修得段階で休み続けるとそれがサボりや怠惰に繋がってしまうというリスクを感じます。荒療治ではありますが、どうにかポジションを持つことを課して乗り切りました。『いかん、いかん。こんなに休んでいても今度は焦燥感が生じてしまう』この焦燥感はFXの相場に真摯に向き合うことでしか克服できない。『今日こそ一度だけでもエントリーできるところを探そう』そうやって最初の一歩、再度の一歩を踏み出すしかありません。今自分に生じる焦りは何なのか?を内省してみると、結局1番根底にあるのは機会損失であることに気付きました。そこで考え方を改め、極小のロット数を保有して損切りを徹底することで不安に駆られない状態に戻していく鍛錬を心掛けることにしました。もちろん最初はリハビリのつもりで、取れても取れなくても額面的には嬉しくも悲しくもない金額幅で取り組みました。実際あなたも重々承知なはずです。結局やるしか前進はないと。

損切り指値を入れること=トレーダーの命綱

現在、もしあなたがエントリー恐怖症であるならば、この機会は絶好の損切りルールを徹底する機会となります。資金損失額が事前に分かっているのであれば、恐怖心は半減します。実質大敗してしまうトレーダーは損切りルールを徹底できていない以外に理由はありません。0.1 lot、0.01 lot でも構いません。 損切りを徹底して取り組みましょう。FX相場に絶対はない以上、どんなプロトレーダーにとっても損切りは日常茶飯事です。損切りのダメージは限定すべきです。それが結局トレーダー のメンタルを正常に保つのです。そしてプライドが高すぎる人は、不自然なほどに否定されることを嫌います。その主観的な自尊心の誇示し続けることで、いつか大敗することになってしまいます。今あなたがトレードの損失で痛みを感じてエントリーが出来なくなっているのであれば、損失を限定することを徹底し、失った自信を取り戻すためにも損切り指値を徹底して立ち上がりましょう。損切りを徹底することであなたの負けは限定されました。命綱は万全です。仮に転落したら無傷ではありませんが軽傷で済みます。無知でなければFXは怖くありません。巷では大きな損失を出した記事ばかりが先行しているだけです。1,000万円の損失を出したなどと聞くと怖いという先入観が先行することでしょう。しかしその大きな損失を出した人は自分のスキルが完成していない段階で、言うなれば素人の段階で大きな資金を投入しただけだと思います。毎回10万円ほどの資金で100回全損した結果の1,000万円損失というわけではないでしょう。

エントリー恐怖症を克服するために思考を変える

実際私が克服できた以上、エントリー恐怖症を克服する方法がないわけではありません。

まずは上述の『最小ロット&損切り指値の徹底』。実践的なテクニックとしてはもうこれしかありませんので実行してください。ではマインド面をどうするか?これは思考を変えて脳内に残留している負けの記憶を上書きするしかないでしょう。そこでトレードを釣りに例えてみてはどうでしょうか?釣りには餌が必要です。生き餌の場合は寿命があるし、ルアーの場合は引っ掛かりなど損失のリスクがあります。また小売業に例えるのであれば在庫リスクが伴うし、サービス業であれば人件費が発生します。どんな業態とて何かを得るためには必ずコストが掛かります。どんな業態とて赤字が発生しない可能性はありません。勝てる思考を心得ているトレーダーは至って冷静にトレードのコストとして損切りを執行しています。次こそは!と鼓舞するためにどうするか?というマインドセットをしましょう。(参考記事:やる気を取り戻す FXで負けた人への激励)

エントリー恐怖症は妄想です

FXでエントリーが怖くなってしまうと負けやすくなるわけではありません。『どうせまた負けてしまうんだ』という憶測に支配されているだけです。絶対エントリーをしないという条件下なら、今まであなたが頑張って修得した分析力を遺憾なく発揮できることでしょう。何も怖くなかった時と今は何が違うのでしょうか?それは結局あなたのマインドが変わっただけです。連敗や大敗は本当に辛いですね。重々承知です。人間の思考を司るのは経験則です。FXで勝てない状態の人は負けを想起することはごく自然なことです。そして人間は誰しも自分で経験したことを真実だと解釈しますので、負けが続くほどにFXは勝てないものだ。などと自己完結してしまい、相場から去っていくのでしょう。当初あなたが想定していたよりもFXの難易度は高かったかも知れません。であれば姿勢を変えるしかありません。勝てる方法を探す以前に自分が勝てなかった理由を明確にするよう心掛けましょう。それができたのであればFX相場に対して真摯に向き合っている証拠です。『どうせまた負けてしまう』=トレードするのが怖い ではなく、『なぜまた負けたのか』=自己検証 を繰り返すことで前進していくのです。

私がトレーダーマインドを維持するためにしたこと

1.何度でも読めるトレード書籍を見つける

まずこちらの画像は私がテクニカル分析の礎にしている書籍です。だいぶ年季が入ってきました。何度かサウナにも持ち込んだ逸品です笑 初心を忘れないためにも何度も何度も同じ本を繰り返し読んでいます。読み慣れた本なので刺激もないのですが、心の平穏を得るために信頼できる本を繰り返し読みます。そしてルールを厳格化するためにも有効です。

もちろんこの本である必要はありません。あなたが信頼できる書籍や教材であればそれで構いません。私がこの本を選んだ理由はトレードにおける基礎理念の全てが詰まった一冊だからです。

2.手書きトレードノートを見返す

11冊目に突入したFXトレードノートを見返すことで、現在と過去の自分を照合します。

1冊目のノートを見返せば、『最初は移動平均線の見方も分からなかったんだなあ』とか

『MTF(マルチタイムフレーム)の認識力すら無かったなあ』など、現在の自分がどれほど成長したのかがよく分かります。また手書きである以上、どこか字体にもその時のメンタリティを感じ取ることができ、否が応でも初心を思い出すことができます。少なからず昔は分からなかったことでも、今はしっかり理解している。と実感することで、これからも同じように学習を継続さえすれば、今日現在の打ちのめされた自分の状態を乗り越えていくことができるだろうという気持ちになります。今あなたがどれだけトレードに恐怖していたとしても、今また再起すればいつか今日の自分を小さく思える日が訪れます。

過去の自分が稚拙だった、未熟だったと思えたのであれば、今現在進行形であなたは成長しています。とてもとても立派です。今もこうしてヒントを探している時点で、あなたは既に上位何割かのトレーダーに属しています。あともうちょっとです!

少額からでも立ち上がろう

完全に根性論ではありますが、FXと真摯に向き合う方法はこれくらいで良いと思います。

少なからず凡人である私には実直な努力なくしては修得できませんでした。今あなたが失った金額はいくらでしょうか?それは勉強代に過ぎません。仮に数百万の損失だとしましょう。トレードを修得さえすれば容易く取り返せます。取り返すどころかプラス収支にすることだって可能です。巷ではFXは9割の人間が負けるといわれています。実際そうなのかも知れませんが、果たしてその退場者達は本当に真摯にテクニカルトレーダーとしての基礎を修得していたのかは疑問です。相場は上がるか下がるかを当てるだけなので、ギャンブル性を求めて参戦する人だっています。しかし、そんな姿勢の退場者の存在など難易度の割合にカウントする必要はありません。でもあなたは違います。あなたが真摯に相場と向き合っているからこそ、どうにかヒントや突破口となりそうな単語を検索し、この記事を読んでいるのですから。大敗した記憶によってメンタルをやられてしまう気持ちはよく分かります。本当に辛いですね。しかし、諦めなければ必ず乗り越えられます。原資は1万円でも10万円でも構いません。まずは少額からやり直しましょう。原資が大きければ勝ち易いわけではありません。まだスキルが無く、相場の仕組みを理解していなければ100万円を失うことも1万円を失うことも同じです。例えば、テクニカル分析を用いるFXの基礎中の基礎であるダウ理論、正直これに実直に従うだけでもある程度勝ててしまいます。心が折れそうな時こそできない理由ではなく、できる理由を探してください。

まだまだ諦めるのは早計です。過去の自分への思いを伝えるべく、あなたに向かって激励を贈ります。大丈夫です!FXは継続さえしていればいつか理解できる日が訪れます。必ず勝てるトレーダーになります。どうか諦めないでください。