テクニカル分析

時間感覚を磨いてトレードストレスを軽減させる方法

『1トレード完了までの所要時間を想定できるようになると、ストレス要因を軽減できる。』

誰しも何時間も含み損を抱えたまま過ごすことは避けたいはずです。

ここでは時間感覚の重要性を解説します。

この記事を読むことで

1.トレード中のストレスを軽減できる
2.勝つための時間感覚の大切さを知る
3.より計画性のあるトレードを意識できる
4.環境認識力が全てであると自覚できる

このようなスキル向上に役立ちます。

最後まで一読よろしくお願いします。

トレーダーのストレス=不穏な状態の待ち時間

トレーダーの主なストレス要因は、ポジションホールド後の待ち時間です。

市場に絶対は存在しない以上、上下どちらに進むかも分からず、常に損益は上下に変動し続けます。エントリー後、あなたの資金は不確実性の下に晒されます。トレーダーはそのストレスと常に対峙し続け、リスクを許容し、利益を追求していきます。FXトレーディングとは、ノーリスクノーリターン、ローリスクローリターン、ハイリスクハイリターン、という資本原理に則り、果敢にエントリーを繰り返す行為です。なので意識的に思考を変えていかなければ、当然誰でも感情が乱れてします。

そこで勝つための思考法として、

[トレードにおけるストレスを軽減させつつ、常に冷静でいられるか?] を心得る必要があります。

巷では、トレーダーの9割がマイナス収支と云われています。

つまり今あなたは、それだけの高難易度スキルを修得しようとしている訳ですし、トレード自体の特性上、ある程度のストレス耐性(=忍耐力)を必要とするのは確かです。

しかし勝てるトレーダー達は、忍耐力のみでストレスと対峙している訳ではありません。

トレーダーとて普通の人間なので、著しくストレス耐性(=忍耐力)が高い訳ではないのです。

勝てるトレーダーは、大きなストレスを感じなくて済むための思考法を心得ているのです。

要点:トレーディングストレスに耐えられる力を磨こうとするのではなく、ストレスの発生源となるようなトレードをしない。

そのためには分析力を高めるしかないのです。

過度なストレス事例

例えば、

『30分前までは立派な含み益が出ていたのに、今見たら大きな含み損になっていた。』これは誰も望まない状況ですね。

そもそもデイトレードとは、24時間以内に取引を敢行し、収益を得るトレードスタイルです。

数分から数時間以内に注文決済を行います。

そこで重要なのは、[およそ何時間ホールドして決済するか?] という想定を [どこまで正確に計画できているか?] です。

例えば、誰しもこんな経験があるかと思います。

CASE01:「エントリーしたが、思った方向に進まず、既に10時間ホールドしている。」

CASE02:「すぐ上がるかと思ったが、下がってしまい、含み損のまま5時間耐えている。」

CASE03:「含み益になっているが、どこで利確したら良いのか分からない。」

安心してください。


誰しも初心者~中級者時代なら、ほぼ確実に経験します。

私自身、修行時代は含み損のストレスを抱えました。

ロンドン市場を意識し、16時前後にエントリーしたのに丸半日(=12時間以上)が経過。。

朝までチャートを見続けたことも沢山あります。

自分はデイトレードをしていたはずなのに、含み損を抱えたまま、48時間くらい無眠でホールドした挙句、終いには大きな損切を執行。

心身共にやられてベッドに倒れ込む。

そして、寝て起きた半日後には見事なV字回復…

その回復っぷりを見て、今度は後悔と自責の念が再来襲。。

さあ気を取り直して、今日も頑張るぞ! なんて出来ません。。

こんな状態で冷静さを保てるワケがないですね(笑

典型的なリベンジトレードをしかねないトレードメンタルですね。

この徒労感は辛すぎです。そもそも損切りが遅すぎるだけなんですが。

私はこんな大敗(資金-80%とか)を10回くらいは経験しています。

(参照:大敗から立ち直る最高の対処方法 リンク)

これは、ほぼ誰でも経験することなので、この程度の苦痛は通過儀礼です。

仮に同じ経験をしても、諦めないで進んでください。栄光はその遥か先にあります。

立ち直る度、あなたは上位10%の勝ちトレーダーに近づいています。

また日常生活において、大半のトレーダーは、想定外の長時間ホールド状態になってしまうと、

他のことが手に付かなくなったり、食事も上の空だったり、お風呂の中でもスマホからチャートを見続けたりしてしまい、決して冷静な精神状態とはいえません。

トレーダーである以上、このような日常は、ある程度は許容するしかないですが、出来ることならこういう状態は避けたいですよね。

含み益が出ているならば、遥かにメンタル負荷は小さいですが、また含み損になるのが嫌で、早く利益を確保したくて落ち着かなかったりします。

このような状態は時間感覚を養うことで軽減できるのです。

無益なトレードのストレス源を断ちましょう。上手くなればなるほど、ストレスは減ります。

ターゲットプライスを明確にしよう 

高精度のトレードプランを立てる

まず私のトレードスタイルの根底にあるのはライン分析です。

私はライン分析を行うことで、[ターゲットプライスの明確化] を行います。

ターゲットプライスとは、相場が目標地点として定めている価格帯です。

(ターゲットプライスを見つけるための記事はこちらです。リンク)

そもそも相場とは、ダウ理論に則り、節目から節目へと不規則な上下動を繰り返しながら進みます。

その節目とは、各時間足のMA、チャネルライン、水平線等です。

一見するとランダムに動いているように見える価格ですが、ある程度の規則性に基づき、次のターゲットプライスとなる得る価格帯を模索しながら動いているのです。

相場の動きを全て掌握することは不可能ですが、分析力(=環境認識力)が高まるほどに、

規則性を見出せるようになります。

実際、勝てるトレーダー達は、節目の位置をおおよそ把握しているので、[エントリー位置、損切り位置、利確目標、これらがほぼ同時に決められる] のです。

そして、トレードのストレスを軽減させるためにとても重要なのは、[ターゲットプライスに到達するまでの所要時間 ] を正しく想定できるか?というスキルです。

その重要性をお分かり頂けたでしょうか?

ターゲットプライスがわかるようになるためには、まずライン分析能力を高めましょう。

(※別記事へのリンク)

日足を見て、平均的なボラティリティを把握する。

まず普段よく取引している通貨ペアチャートの日足を表示してください。

直近の日足を見る限りだと、120pips / 1日 ほどのボラティリティがあるとします。

この一本分の長さがデイトレーダーのトレードエリアです。

パッと見た感じ、ここ最近の日足の長さ(1日のボラティリティ)が、平均120pipsだったとしましょう。

だとすると(当たり前ながら)、それは4時間足×6本分で120pips動いたということですね。

仮にあなたがデイトレーダーであって、平日20時-26時にトレードをするなら、次の4時間足1本が形成されるまでを予測するということです。

あなたがデイトレーダーならば、たった一本の4時間足の動きを予測することに全力を注げばいいのです。「なにを当たり前のことを言っているんだ?」などと片付けないでくださいね。ここにデイトレーダーの真髄が含まれています。

要するに、自分のトレード対象エリア(=価格幅)を限定していく作業が大事なのです。

その時間感覚が、あやふやにならなければ、強制ロスカットや大敗は起こり得ません。

当初の想定時間よりも、著しく長期化したからこその大敗のはずです。

ご自身のライフスタイルを考慮し、1トレードあたりの

理想的なホールド時間を元に考えてみてください。

「果たしてこのエントリー位置は自分のスタイルに見合っているのか?」と。

以下のうち、あなたのトレードスタイルはどちらに近いですか?

例1:デイトレード

1時間足 移動平均線の短期から中期までの移動を取ろう。

長期移動平均線を見る限り、だいぶ乖離幅が大きい。

一旦は戻しても不自然ではない。相関関係的にも、つじつまが合う。

ボラティリティを見る限り、4時間くらいで到達しそうだ。

何しろ、ポジったまま仕事をすると気が散って仕方ない。

今回は自分のトレードに充てられる時間内に収まりそうだ。

就寝時間くらいに利確出来ていたら、気持ちよく眠れるなあ。

よし、やろう!次の押し戻り候補まで待ち構えてエントリーしよう。

想定所要時間:4,5時間

例2:スイングトレード

4時間足 きれいなチャネルラインを確認できる。

ボラティリティを見る限り、1,2時間ほどでチャネルの上限ラインに到達しそう。

約3ヶ月振りにチャネル上限付近に達した。うっすら三尊ぽい形になってきた。

これは大多数が注目しているぞ。上限付近で逆張りショートを打とう。

そしてチャネルラインの中央値くらいまでは引っ張ろう。

中央値までは230pipsあるから、すぐには到達しないだろう。

早くても2日は要しそう。デイトレの時間感覚には収まらないが、

今回は自信があるので小ロットで放置すればいい。

明日は仕事中とて3,4時間に一度ならチャートも見れるし。

よし、チャネル上限付近にエントリー指値と損切りを入れて寝よう。

想定所要時間:2日

この2例は、所要時間を想定できているからこその戦略です。

所要時間を踏まえることで、ご自身のライフスタイルに見合ったトレードを敢行できるのです。だいぶストレスが軽減されることでしょう。

4.1日の取得目標をpipsでは決めない=焦りを生じさせかねないデイトレーダーは志が高くなければ、やるべきではない難易度である以上、毎日の目標値を設定することはモチベーション維持に有効な面はあります。

1日の取得目標をpipsで記述している方もお見受けしますが、私はあまり賛同できません。

何故なら日によっての変動幅や盛況具合が異なるからです。

あまりにも波が小さく、あまりにも難解な相場状況は、往々にして発生します。

そういう時は潔く、やらない。に尽きます。これだけでも時間的自由と損失リスクは回避できます。

もし波が小さく、通貨ペアの相関関係的にもレンジだらけの日にエントリーしたとして、6時間ホールドした結果、15pipsしか取得できなかったとしたらどうでしょう?

私であれば、徒労感を覚えます。

または盛況でボラティリティが高く、相関関係的にもトレンドが明確な日だったとして、15分ホールドして、目標の20pipsを達成したらやめますか?

私であれば、今日はトレンドが明確で取りやすい日だと捉えます。

つまり、やり易い日であれば攻めよう。

やりにくい日であれば休もう。という発想です。

当たり前のことに聞こえるかも知れませんが、実はこの発想がとても重要です。

プロトレーダーは、常に時間効率を考えています。

もしあなたがホールド中に過度なストレスを感じるのであれば、読めない時、ボラティリティが低い時はやるべきではありません。

取得pips目標を掲げることはモチベーション維持や、自分を鼓舞する意味ではとても価値がありますが、あまりにも目標値に囚われてしまうと、焦りが増大します。

まとめ

「トレーダーのストレス源は、どちらにいくか分からない、不穏な状態の待ち時間。」

想定よりも経過時間が長いトレードになった理由

1.ボラティリティが低かった  →  ボラティリティが読めていない 

2.レンジに突入してしまった → 分析力が低い 

3.含み損が膨らみ続けてしまい、損切りできずにただ待っている →  損切りが遅すぎる

4.想定外の為替変動 → これは仕方ないです。そのための損切り。

学習フロー

[ ターゲットプライスがわかる ] (参考記事:ターゲットプライスを定める リンク)

[エントリー位置、損切り位置、利確目標、これらがほぼ同時に決められる]

[自ずとトレードの計画性が高まる]

[直近1ヶ月の平均ボラティリティを観察して、ターゲットプライス到達までの所要時間を踏まえる]

[あなたの理想的なデイトレード時間内に、ターゲットプライスに到達しそうならエントリー位置を待つ]

[不穏さに疲弊するような時間的ストレスを大幅に軽減できる]

[そのための環境認識力を磨き続けるしかない]

FXは想定外の動きを成すことも往々にしてあり得るので、損切りは必須です。

損切りは唯一の安全装置ですから、それを外すのは命取りになります。

そして思わぬレンジに巻き込まれたり、急騰急落も起こりえます。

しかし、想定時間の大切さが分かれば、エントリー後の不毛な待ち時間を回避しやすくなります。

おおよそ、上下どちらに進みそうなのかが読めたとしても、[到達するまでの道のりと所要時間を想定しておくことが必要]です。

そのためにも分析力(=環境認識力)を高めていきましょう。

トレードはそれが全てです。今は何を言っているのか?完璧には理解できないかもしれません。しかし、あなたが幾多の困難を乗り越えた頃には、深く共感して頂けるはずです。

是非とも「1トレードを終えるまでの想定時間」の精度を高め、あなたの生活様式に合ったトレードスタイルの確立のヒントになれば幸いです。