コラム

トレーダーの実態と社会性 人間関係の失敗談など

過去にFXトレーダーであることを友人に話したことがあります。先に結論からお伝えしますと、話さなきゃ良かった。と後悔しました。。またトレーダーはどんな生活スタイルなのか?を知りたい方もいらっしゃることと察します。そこでデイトレーダーの日常は実際どんなものなのかを赤裸々に書いてみます。少々ネガティブな内容も含まれます。上手くトレードができるようになってきたとて決して良いことばかりではありません。

今の社会性を担保したいなら兼業トレーダーが良い

まず私の場合、兼業トレーダーなのでもうひとつ別の仕事があります。今となっては収支の割合からどちらが本業なのかの定義は曖昧ですが、どのみちFXトレードの収入だけではないのであれば、堂々と兼業だと言えます。以前は中小零細企業(社員7名)の経営者だったこともあり、その時の名残で今も広告代理店の下請け案件をこなしています。主に制作やらディレクションに携わっています。とはいえ普段は都内に生活拠点があり、基本的に自宅勤務とたまに撮影現場に出向くくらいですので、1週間ほど広告仕事が止めば、沖縄に移動したりします。なのでトレードをする時間は自分次第でいくらでも作れます。法人だった頃と比較すると、個人レベルでは仕事が先細りになることが目に見えていたので会社が傾き始めた辺りから、再度ひっそりとトレードスキルを研き始めました。実際、人生の窮地に追い込まれたことも何度か経験しています。それに比べたらFXの勉強などあくまで座学に過ぎないのでどこでもできます。今後の生活と人生を立て直すために一念発起し、ひたすらに勉強をしました。正直楽ではありませんが、自らの手で勝ち取ることにやり甲斐を感じています。FXトレーダーとして生きていくことには、組織に属さない故の自由さと引き換えに一抹の不安を感じることもありますが、収支の面では動いた分だけ全て自分に反映されますので、100%実力主義です。それ故に自己規律の質が問われます。つまり場所、時間から解放されたとて自堕落に過ごすと没落してしまいます。常に自分を律することが出来て、自分のペースを崩さず、ひたむきに取り組む必要があります。また兼業であり続ける理由は、既存の社会性をどうにか維持するためです。

デイトレード生活は決して楽ではないし、案外贅沢もしないもの。

そして実際は普段どんな生活をしているのかというと、大半が自分時間ですので自由です。漠然と生計を立てられているFXトレーダーというと先入観上、悠々自適に楽しく暮らしているように思えるかも知れませんが、実際はそうでもありません。連敗が続けば、今まで培ってきたトレードスキルが消失してしまうのではないか?という一抹の不安が募ります。また絶好のエントリーと思いきや、損切り指値にも利確指値にも触れることなく、24時間以上ボラティリティの低いレンジに巻き込まれたりもします。その時は只々メンタルを消耗するだけで1日が終わります。私の弱点は長期間ホールドすることが出来ないことです。スイングに移行できないデイトレーダーです。今も尚、無理してもホールド2日程度です。なので数日間ホールドして200pips ほど取得できるスイングトレーダーには敬服します。こればかりは先天的な気質かもしれません。克服したいです。そして生活が逼迫しているかと問われたら、割と安定感はありますが、生涯安泰かと問われたら、まだまだ不安は払拭できないと答えます。因みに今のところ収支報告をするつもりはありません。ブログを介して見ず知らずの人に、『私は年収いくらです。こんにちわ!』は少々下品ではないでしょうか(苦笑  また直接ネットを介して、『いくら儲かってるの?』という質問も余りにも失礼です。少なからず実世界では、初見の人に向かって年収いくら?と訊かないでしょう。。なのでここでは普通に難なく生活できていますとだけ公言しておきます。どれだけ稼げるのか?に関心があるのは分かりますし、大きく稼ぐFXトレーダー像に夢を馳せる事は何も間違った考えではありません。しかし裁量テクニカルトレーダーに於いて、楽して稼げる!は幻想です。

物欲は一過性であって、直ぐに飽きる。

お金がない時、あれほど欲しかった物でも手に入れてしまえば何とも思いません。どなたかの希望を台無しにしてしまうかも知れませんが、物欲は一過性に過ぎません。なかなか買えないからこそ、その欲しい物は輝いて見えているだけなのです。高額なものほど手に入れにくい傾向はありますが、それを得たとて大した変化はないのです。そしてトレーダーは勝っても負けてもそれを大して誰とも共有することもなく、少しばかり増やせたことで安心を得ている程度です。何しろ冒頭でもお伝えしました通り、私はFXトレーダーであることを、つい友人に話したばかりに失った人脈もありますので尚更に年収を公表することには何のメリットも感じなくなりました。しかし不思議なもので失った分だけ新たな人間と出会うものです。こればかりは非科学的な因果律すら感じます。なので普段社会に溶け込む時は少しばかりくたびれた服を着て過ごします。仮に私が突如としてギラついた格好で、既存の友人知人に会ったとしたら確実にそれは好奇心の対象になってしまいます。人は内心、『あいつの収入源は何なんだ?』と憶測立てたりしてしまうものです。何が言いたいのかというと、自己顕示欲を露呈することには、実際あまりメリットはありませんよ。と伝えたいのです。トレーダーが一般職とはかけ離れた収支形態である以上、社会の於いて様々な弊害もありますので精神的プレッシャーや自分を取り囲む社会性も含め、FXトレーダーの生活は楽だとは思えません。とはいえこだわりもあります。それは行きたい場所へ行きたい時に直行し、普段通り快適なベッドで深く短く眠ることです。私の自由に対するこだわりはこの程度です。その自由を享受するためにトレーダーとしての鍛錬を怠らない。本当にただこれだけです。少し考えてみてください。FXトレーダーである以上、お金にはシビアであるべきです。0.1pipsでも有利なエントリーを心掛けるデイトレーダーなら、ブランドイメージに踊らされているだけの商品に大金を投じるものでしょうか。但し!一過性だと分かっていても、いつかアレを買ってみせる!という物欲をトレード修得に向けてのモチベーションにするのはとても有効です。なので修得に向けての瞬発力や弛まぬ努力の原動力として活用することは素晴らしいことです。要は勝てない時期を乗り越えるには、物欲全開で行こう!そして乗り切ろう!という姿勢には大賛成です。実際私もそうでしたし、真っ向から物欲を否定する気はありません。それが原動力になる時期ならば、大いにその願望をモチベーションに還元してください。しかし露骨に生活の変化が見た目に現れ始めると、一定の人脈とは疎遠もしくは離別することが起こり得ます。

損切り指値を徹底することで不安を軽減、そして地味な生活。

今は損切り指値を徹底していますので、流石に強制ロスカットはありませんが、1日で10%以上、ドローダウンすることもあります。そんな日が続いてしまうと、『明日は今までのスキルが消えてしまってもう利益を出せないかも知れない。』『今はチャートが読めているが、突然読めなくなるかも知れない。』まあ断片的な記憶障害でも起きない限り、今までのトレードスキル部分のみが消えて無くなる事はない訳ですが(苦笑 そのくらい不安に苛まれる事はあります。そんな時は何度も過去チャートを表示して、ひたすらラインを引いたり、チャートパターンを見出したりと、チャート分析の鍛錬をして自分を安心させたりします。結局腕を磨き続けないと安心を担保できないのです。あとは飽きとの戦いもあります。勝てるようになったならひたすら楽しそうなものですが、実際は飽きが生じてきます。家族以外と会わない日もあるので、なんだかんだ息が詰まります。自由を獲得するためにトレーダーを志した訳ですが、実働6時間以上はFXトレードに向き合っている日が多いです。なのでネット広告にあるような、『1日たった15分だけで◯万円を稼ぐ!』とか、『1日3回チャートを見るだけで!』とか、そんな合理的?効率的?なトレードスタイルは確立していません。このような不安と常に戦っているデイトレーダーの苦労はあまり表ではあまり語られていませんが、多くの勝てるFXトレーダー達は、実際私程度の中堅レベルのFXトレーダーが大半なのではないかと思います。案外地味なものです。苦しい生活経験もあるのでドバイ好きっす!みたいな妙な成金趣味もありません(笑。 何しろトレーダーであることを公言している訳ではないので服装も地味です。高級時計や貴金属は重りでしかないと思っているので、私は一生身に付けることはありません。第一に重たい時計付けたままブログは書きにくそうです。また食に関しては動物質の肉を食べないベジタリアンであるため自炊が多いです。卵と魚は食べますので栄養価に差し支えはなさそうです。タバコはやめたいけど吸います。お酒はほぼ飲みません。今は価値ある経験に対してお金を惜しむことなく使う程度です。快適さを享受できるのであればその対価を厭わないという姿勢です。なので生計が立てられるようになってからはどこに行くにしても交通費を惜しまなくなったくらいでしょうか。地味ですがこれが現実です。

忠告したい。最も大きな変化は人間関係

兼業でも専業でも自分がトレーダーであるということを堂々と公表することはリスクを伴います。特筆すべきは人間関係の変化です。最初は親しい友人に話すこともありましたが、結果として何人かの人間と離れることになりました。最初は少しばかり上手くいったことを話した時に不穏な空気を感じ取っただけですが、誰にでもある平凡なレベルの嫉妬だろうと受け流していました。何しろ大した額面でもなかったので、そのくらいの臨時収入程度なら話しても良いだろうと思ったのです。しかし、その日を決起として友人関係が崩れ始めました。まず第一にFXトレーダーはギャンブル行為に躍起になっていると思われがちです。そして一般的なサラリーマン形態であれば労働は能力+時間を切り売りすることで収入を得ています。しかしトレーダーは一夜にしてその月給を稼ぐこともあれば、逆に月給レベルの金額を失うこともあります。そしていつの間にやら共通の友人を介して『あいつはFXをやっている。まともな生き方ではない』のような噂すら流布し始めました。また少しばかり良い環境に転居することで妙に稼いでいると思われてしまい、嫌味めいた弄られ方をした経験もあります。そうなると、もうこちらがいくら弁明したとしても手遅れです。またFXトレーダーが楽して稼いでいるというのは先入観ですし、実際労働行為なので、汗も水も垂らしながら勤しんでいます。相場によっては30時間ほど起きていることもあります。またコロナ相場と言いますか、国内ニュースで報道されるほどにドル円が大きく暴落した時など、嬉々としてこう尋ねられました。『ドル暴落したけど大丈夫だった?』と。大丈夫も何も『逆に最高のショートトレンドだったよ!』などと言えるはずもなく、こう答えました。『なかなか苦戦したよ。』と。相手の目を見るとどこか所在なさげというか、つまらなさそうだった表情は今でも忘れられません。本当は大損したと聞きたかったのでしょう。流石にその思惑は表情の変化と声色から察しました。仮にコロナ相場のおかげでしっかり稼いだよ的な発言をしたものなら、『世界が大変な状況なのに、お前は不謹慎だよな』と軽蔑されそうです。もちろんその友人のトレードに対するリテラシーにも依りますが、軽はずみに話してしまうとそんな経験を余儀なくされます。これがデイトレーダーの実態が謎めいている一因でしょう。水面下には生計を立てられるクラスのトレーダーが何万人といるはずですが、ごく僅かなトレーダーのみが公の場に姿を現しているだけだと思います。実際大半が匿名トレーダーでしょう。そして本当に勝ち組トレーダーは存在するの?という疑問に対しては真っ向からYESです。大半のトレーダーが公表することにメリットを感じない場合が多いのでひっそりと活動しているのが現実です。旧知の仲の友人知人とて、その人のリテラシーレベルに拠ってはドリームキラーになり得てしまうのも悲しき現実です。トレーダーは偏見と先入観を持たれ易い風潮はどれだけ個人が釈明なり説明をしたとて理解が及ばないことがあるという点をしっかり踏まえておく必要があります。

今の人間関係を維持したいのであれば公表しない方が良い

あなたが今現在FXトレーダー志願者として一念発起したのであれば、公表する相手はとことん選んだ方が良いです。正直話したい気持ちはよくわかります。上述のエピソード然り、私は何人か親しい人に話してしまった結果、失いたくない交友関係とも疎遠になりました。なので本当に気をつけてください。一言話しただけで関係が壊れることはないかも知れませんが、ぶっちゃけ、トレーダーではないオーディエンスには『大損すれば喜ばれる』傾向があります。そんな悲しい一面もあります。真の友人の定義のひとつとして、友の成功をまるで自分の成功かのように喜んでくれる。という基準があります。しかしこれはごく僅かの友人に於いてでしょう。それなりに話す相手を吟味したつもりですが私はミスりました。。もちろん喜んでくれたり応援してくれる友人もいますのでまだ救われます。そんな経験から現在は、個人で広告案件に携わることで僅かな社会性を担保しています。あなたも是非ともこの忠告を記憶に留めておいてください。あまりネガキャン的な振る舞いもしなくないのですが、お金の無心に遭ったこともあります。これも残念ながら現実です。とはいえ、トレードをキッカケに新しい人脈が広がり始めることがあるのも事実です。因みにこのブログも理解ある友人が運営の一助を担ってくれています。感謝です。総括するならばFXトレーダーであることを公表することで既存の人脈を一掃してしまうことが起きる可能性が高く、何人かが残り、何人かは去り、そして新たな人脈が生まれます。人生の新陳代謝としてはこれで良いのだろうと思えますが、大切だと思える人間関係は失いたくないはずなので細心の注意を払うことを勧めます。正直、兼業であるならばトレードで得た収益を明るみにすることなくカモフラージュする方が無難だと感じます。実際私も実社会で繋がりではトレーダーであることは全く公言しなくなりました。『こいつには話ても良いだろう』と推考したにも関わらず、その友人と疎遠になってしまった経験があります。

トレーダーは職業です。ビジネスとして取り組みましょう

実際この記事を読んでいるあなたは、既にトレーディングをしていることとお察しします。

なので説明不要かも知れませんが、トレーダーはギャンブラーではありません。ただギャルブラー気質の人間も参入してくるだけです。因みに私はギャンブルをやらないタイプです。ギャンブルに対して否定的ではありませんが、単に興味がありません。経験が皆無ということでもなく、大学生の頃に好奇心からパチンコに2,3回行ったことはありますが全くハマりませんでした。その時に悟ったのはそもそもパチンコ屋にお金持ちそうな人が皆無だったのでこれは儲からないんだろうなと察しました。 胴元がいる遊戯賭博である以上、偏見ではなく事実でしょう。世間にはトレードをギャンブルと見なす見解もあります。

なのでこれはあくまで私個人の持論でしかありませんが、『理論分析に基づくトレーディングプランは、資本構造に則った経済活動の一環である』と自負しています。そして既にトレード経験があるのであればその難易度を実感していることと察します。これは世界で繰り広げられている頭脳戦です。本当にトレーディングで収益を上げたいのであれば、運の要素を一切排除しましょう。あなたの戻ってきてくれーというお祈りは全く通じません。

仮に戻ってきたらそれは、完全にマグレです。そんな状態は排除してしまいましょう。

トレードはお金を仕入れてお金を売るだけの経済活動なので、原価100 円で仕入れた商品を個人ネットショップで1000円で販売するのと同じです。なので真摯にビジネスとして取り組めば収益が発生します。ただそれだけです。エントリーする際、こう考えて見るのもアリです。『この商品(=エントリー通貨)は果たして高価で即日完売するだろうか?』と。『もし売れ残ったらいくらで下取ってもらえるか?』と。そうやって小売業者のように考えることで、買いたい側は何を考えているのか?や、売りたい側は何を考えているのか?をというロング勢力とショート勢力の思惑を想像しやすくなるかと思います。

最後に一言。私を揶揄した友人Hにはこう問いたかったのです。『投資銀行や巨大ファンド、グローバル企業、そして国家。それら大口トレーダーが自己の利益を最大化するためだけにトレードを執行しているのに、何故個人でそれと同じことをしたら批判されてしまうのでしょうか。』と。勝てるようになったとて良いことばかりではありません。特にトレーダーであることを公表する際には一旦立ち止まって、ご自身の人間関係の於けるリスクリワードを換算してくださいね。少々ネガティブな面に触れましたが、FXトレードスキルを修得することは著しく人生を好転させるだけのポテンシャルがあります。その大きなポテンシャル故にいくつかの抗えない葛藤や弊害が生じることだけは覚えておいてください。そして私のいくつかのやっちまった話を踏まえて同じ轍を踏まないようにしてください。